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イノベーション失敗パターン③:【遠い人】



前回はこんな投げかけで終わりました。

「技術革新を伴わないイノベーションは、もしかしたら先進的なイノベーションかもしれません。今日的なイノベーションなのかもしれません。ただ、技術革新を伴わない方が優れている明快な理由があります。 
 
ぜひ想像してみてください。何だと思いますか?」
 



明快な理由とは、新技術にはトラブルが付き物だからです。トラブルが発生すると、自動車などのリコールが典型例ですが、大変なことになります。大変な出費ですね。そこまでいかなかったとしても、初期には小さなトラブルを潰していかなければなりません。 
 
つまり、古いけれども安定した技術を使ったイノベーションができた方が、一般的にはコスト安になるはずなのです。 
 
そんなことってあるのか? 
 
あります。ただし、古い技術で市場のゲームのルールを変えるというのが難しいことは想像に難くありませんね。 
 
そこで出てくるのが、また別の FURICO コンセプトですが、「シンセシス」という概念です。組み合わせですね。古くて安定した技術と、別の古くて安定した技術の、今までにない組み合わせ方をして、ゲームのルールを変える、ということです。 
 
「構想イノベーションと実現イノベーション」、「シンセシス」も、もっと詳しくご紹介したいのですが、またの機会に回しましょう。というのも、先ほどのストーリーには、もっとたくさんの失敗原因がありますから。 
 

【遠い人】 

 
先ほどのストーリーでは、Cさんが社内メンバーを集めてブレスト(ブレインストーミング)をしましたよね。断言しましょう。これも大いなる間違いです。 
 
これもよくあるのですが、イノベーション=技術革新のイメージでしょうか、社内の密室で秘密裡にこそこそ開発するイメージがあるのでしょうかね。社内の、それも近い関係者で話を始めていきます。 
 
もちろん、それ自体は悪くありません。でも、それだけでは、ほとんどのケースではイノベーションはまず無理です。 
 
イノベーション事例には、技術と技術の「今までにない組み合わせ方」をしたケースが多い、という話をしましたが、これはつまり、人と人の組み合わせなのです。社内、あるいは同じ部署内は、どうしても似たデモグラフィを持つ人たち、ある程度共通した価値観を持つ人たち、ある程度似た方向性を向いている人たちに限定されています。 
 
イノベーションのきっかけになるのは、「できるだけ遠い人との出会い」であることが多いのです。換言すれば、イノベーションを生み出す手段として「ダイバーシティ(多様性)」が必要なのです。 
 
あなたの人脈はどうですか? 
 
社内の仕事上のつながりが中心になっていませんか? 飲み食いをする時は、社内関係者と一緒に、ということが多くありませんか? 
 
それが悪いと言っているわけではありませんが、でも、必要とされている関係者との関係以外に、できるだけ遠いデモグラフィを持つ人々、遠い価値観を持つ人々などとの接点を意識的に作っていますか? 
 
あなたがもし、結果的に「必要とされる人間関係以外は作らない」状態になっているとすれば、今の状態ではイノベーションを創出することはほぼ無理です。だって、イノベーションとは、必要とされているものを超えたものを創り出す行為そのものですから。
 



 
私は、仕事上、非常に多くの大企業社員の方々にお会いしてきましたが、お持ちの人脈は「既存の業務の必要に応じた人間関係のみ」という方が少なくありませんよね。 
 
あなたにとって、「遠い関係の人」とはどういう人でしょうか? 
 
もしかしたら、そういうところに全然違う発想の種があるかもしれません。 
 
(続く)


宮田 丈裕 (当社代表)


次回のシリーズ第4回はこちら:



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