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経営の中でも最高難度:「イノベーション事業家」


イノベーション人材には「構想人材」と「実行人材」の2種類があり、前者の構想人材には「イノベーション・プロデューサー」と「イノベーション事業家」の2種類がある。





イノベーション事業家


ビジネスとして持続可能な、あるいは発展可能な状態を構想し、実現をリードする役割がイノベーション事業家である。現実には、プロデューサーと事業家を同一人物が兼ねているケースも多いと思われる。

これは、例えばグループ会社の経営を経験した人ならできるかと言えば、必ずしもできるとは限らない。じゃあ親会社の経営経験者ならできるかと言えば、それも必ずしもできるとは言えない。イノベーション事業家に求められる能力は、一般的な会社経営者や事業経営者に求められる能力とはまた別物である。

その違いの中で大きいと考えられるのは、リスクに対する姿勢である。一般的経営者はリスクを把握した上で、それを取るか取らないかを判断する。イノベーション事業家は、もちろんそういうケースもあるが、それに加えて、自分でリスクを軽減することが求められる。元々が高リスクのステージなので、そういう行為が重要な意味を持つ。

また、高いリスクを取りたがる人はイノベーション事業家には向いていない。

ただし、こうした話は一般論であり、例外はたくさんあるので一概にそうでなければならない、という言い方はできない。

いずれにしても言えるのは、イノベーション事業家がすべきことは経営の中でもかなり難しいことであり、自分独自の事業創造の方法論を持っているということは言えるかもしれない。独自の方法論を持っているということは、自分の中で戦略・戦術に組み立て方を工夫・試行錯誤して考え、検証してきた経験知がある、ということだろう。

しかしながら付け加えなければならないのは、そんな試行錯誤と検証が、今の日本で許される環境というのが多くあるだろうか。もちろん、多少そんな余裕のある業界トップ企業もあるかもしれないが、そう多くはないかもしれない。いずれにしても、「余裕」がある状況がなければイノベーション人材、特に構想人材は育ちにくい。

また、大企業社員に時々いるが、もし自分が小規模企業の経営をしたら簡単にうまくいく、と考えているように見える人がいる。実際に簡単にできる人もいるだろうが、大半は簡単ではないだろうと思われる。なぜなら、事業というのは100を101にする経営と、0を1にする経営では、同じ1を増やすのでも、後者の方が遥かに難しいからだ。もちろん、前者の方が難しい部分もあったり、様々な条件によっても違うはずだが、一般論で言えばそうである。イノベーション事業家がやるべきことも同様で、難しい。能力がある人であっても、10回やって10回成功させられるとは言えないかもしれない。


さて、イノベーション実行人材の2種類については、また別の記事で書きたいと思う。


宮田 丈裕 (当社代表)




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