【ようこそ、イノベーション創出という冒険の旅へ】
先ほどのストーリーには、もっと「間違い」があります。そして、「では、どうすべきか?」については、私はまだそんなに深く、詳しくは書いていません。そもそも、イ ノベーションの定義も、あえてここではしていません。
が、残念ながら、文字数の関係でそろそろ締めなければなりません。(やはり切迫は どこにでもあるもんです(笑))。
私はイノベーション・コンサルティングも他社さんでさせていただいていますが、そ の中で私は当事者の皆さんに何度も何度も問いかけます。
「あなたがやりたいのは、現状の維持・向上ですか?それともイノベーションですか?イノベーションは難しいし大変ですよ。でも人生の景色が変わるのも確かです。本 当にやりたいのはどっちですか?」
私は本心から、全員に「イノベーション」と答えてほしいとは思っていません。
ただ、「イノベーションがやりたいです!」という時のその方々のキラキラした顔、 何かのスイッチが入った時の表情は、たぶん一生忘れられません。
たとえその後、その方々が 3 連敗したとしても、そこには他で代替しようのない成長のチャンスがあるはずです。挑戦しない人には成長のチャンスは限られたものでしかあ りません。
【イノベーションとは圧倒的な愛情提供】
私は、最初に申し上げた通り、イノベーション創出支援をしていながら、イノベーションに拘りがありません。イノベーションを目的にはしていません。私が仕事をする目 的は、ビジネスを通じて愛情を提供することです。
早いものでもう10 年以上前の話ですが、私は自分の会社を立ち上げてから数年後、 大きな挫折をしました。巨大な無力感と、それにも関わらずやってくる試練の毎日。2年間ぐらい無給だったと思います。それを救ってくれたのは、自分による解決というよりも、様々な恩人の方々でした。
試練を乗り越え終えたある日、ハッと気付きました。恩人や家族にもらった愛情を、 自分の中に滞留させてしまうほどの愚行はありません。私の存在は両親や先祖にいただいたものです。恩人によって支えられているものです。1945 年に長崎に原爆が落とされました。米軍の計画では八幡に落とす予定でした。当時 2 才だった私の母は八幡にいました。私の存在は、長崎の被害者にいただいたものです。私の存在は、人々の愛情で 成り立っています。涙が止まらなくなりました。当たり前に見えて、全然当たり前では ありません。
私はビジネスを何のためにやっているか。顧客、社員、投資家に愛情を提供すること です。金儲けは、その大きさ、インパクトによる結果論です。ビジネスとセットで語ら れることのほとんどない「愛情」を私の信念にしようと決めました。それ以来、驚くほ どあらゆることがうまくいくようになりました。
ただ、愛情と甘やかしは違います。例えば、顧客からお金などの正当な代償をいただ かずに価値を提供すると、その顧客は長期的にダメになっていきます。顧客にも社員に も投資家にも、対等に、いい意味で厳しく接することが長期的には彼ら彼女らへの本質 的な愛情提供だと、私は考えています。
ビジネスによる愛情提供は、「相手が欲しいものに応える」ことよりも、「相手の期待 を超えたものを提供する」方が、顧客、社員、投資家は喜んでくれます。自分が常にで きているとは思えませんが、できる限りそうしたいといつも思っています。
数年前に気付きました。それって、言い方を換えるとイノベーションなんですよね。 ビジネスによる愛情提供が、従来よりも圧倒的に大きくなることです。プロダクトアウ トな技術だけの革新や、利己的な利潤独占は、私の言うイノベーションでは全くありま せん。冒頭に、「私はイノベーションに全く拘りがない」と申し上げたのは、あくまで 真の目的は、ビジネスで愛情提供をすることだからです。根源的には、ビジネスである こと、愛情提供であることを忘れたり後回しにしたイノベーションが失敗するのだと、 私は確信しています。社会に大きなインパクトを与えるような愛情提供をすることを、 私は本気で、大マジメに追求しています。私の冒険の旅はまだ始まったばかり。
これを読んでくださっている皆さん、とりわけ、本気でイノベーションに挑戦しようとい う方々、お一人おひとりの人生にとっても、これから素晴らしい冒険となりますように。
宮田 丈裕 (当社代表)
※この記事は、引用・リンクは自由にしていただけます。
ただし、当社の会社名、記事の著者名を引用していただくことと、
どのようなサイトなどのメディアで取り上げるかを
当サイトの「お問い合わせ」から当記事タイトルと共にご一報いただくことを
条件とさせていただいております。